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福利厚生にはどんな種類がある?ここで働きたいと思われモテる企業になるために!

公開:2024.5.10

更新:2026.2.26

近年、「働きやすい会社」を選ぶ基準の一つとして、福利厚生を重視する人が増えています。企業もこうしたニーズに応えるために福利厚生を拡充し、さまざまなサービスや支援を導入するようになりました。本記事では福利厚生の内容、福利厚生を拡充することによるメリットや、導入するうえでの注意点、おすすめの福利厚生のほか、最新の福利厚生について知る機会となる展示会情報などを紹介します。

【目次】


そもそも福利厚生とは? 

福利厚生とは企業が従業員に対して、労働の対価として支給する賃金とは別に提供する金銭もしくはサービスのことです。

法律で義務付けられている福利厚生のほかにも、企業が独自に決めて提供するものもあり、正社員ではない従業員や家族に対して提供されるケースもあります。

企業がどのような福利厚生を用意しているかは、就業規則にまとめて記載されているのが一般的です。

法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類

福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類があります。

法定福利厚生とは、企業が従業員を雇用する際に、労働の対価としての賃金とは別に、法律で決められている金銭を負担することを指します。

法定外福利厚生とは企業が独自に制度化したもので、従業員やその家族に対して、労働の対価としての賃金とは別に、金銭やサービスを提供することを指します。

法定福利厚生は法律上の要件に該当している場合は必ず実施しなければなりませんが、法定外福利厚生は企業が自由に実施できます。

企業が福利厚生を充実させるメリットとは? 

福利厚生を充実させることによる、主なメリットは次の4つです。

人を採用しやすくなる

日本では人口減少と少子高齢化が進展し続けています。生産年齢人口が減少し、人手不足が深刻化した結果、人を採用するのが難しい状況となっています。求人広告を出しても応募が来ない企業も少なくありません。

法定外福利厚生を充実させて企業の魅力を向上させることで、応募数の増加が期待できます。

従業員の定着率が向上する

従業員が定着すれば組織力が強化され、企業の経営も安定します。加えて、新たに人を採用し教育するためのコストの発生も抑えられます。

法定外福利厚生を充実させることは、すでに自社で働いている従業員の定着率向上にもプラスに作用します。良い環境を提供してくれる自社に対する帰属意識(エンゲージメント)が高まったり、業務へのモチベーションも向上し、結果として定着率向上が期待できます。

生産性が向上する

法定外福利厚生の中には、スポーツジムやカウンセリングを無料や低価格で利用できるなど、従業員の心身の健康維持に寄与するものもあります。そのような福利厚生が充実していると従業員の心身がリフレッシュされ、業務へのモチベーションが高まります。チームワークや業務効率が改善し、生産性の向上につながります。

従業員の生産性が向上すれば企業の収益が向上し、増加した利益を福利厚生のさらなる充実や教育投資などに回すことができ、従業員の満足度が一段と向上するという好循環を生み出します。

社会的評価が向上する

法定外福利厚生を充実させ、その内容を自社のホームページなどを通じて外部に対してアピールすることで、株主や取引先、金融機関、地域社会などのステークホルダー(利害関係者)からの評価が高まります。

ステークホルダーから「従業員を大切にする企業」であるというイメージを持たれることで、株主の安定化、金融機関からの信用向上による財務の安定化、取引の安定化、地域社会との良好な関係が実現され、そのことが経営の安定化につながります。

法定福利厚生の種類と内容一覧

法定福利厚生には、以下の6種類があります。

・健康保険

・厚生年金保険

・雇用保険

・労災保険

・介護保険

・子ども・子育て拠出金

健康保険

健康保険は、従業員の私傷病の治療に要する費用を保障する公的医療保険制度です。健康保険料は会社が1/2を負担します。

厚生年金保険

厚生年金保険は、従業員の老後や障害を負った場合、扶養者を亡くした場合の生活を保障するための公的年金制度です。厚生年金保険料は会社が1/2を負担します。

雇用保険

雇用保険は、従業員の失業や育児休業期間中の生活保障、教育や雇用の推進を目的とした公的保険制度です。雇用保険料は会社が9.5/15.5(約60%)を負担します。

※業種によって負担割合が異なることがあります。

労災保険

労災保険は、従業員の業務上や通勤途上での傷病の治療に要する費用の保障、障害を負った場合や扶養者を亡くした場合の生活を保障することを目的とした公的保険制度です。労災保険料は会社が全額を負担します。

介護保険

介護保険は、介護が必要となった国民の介護サービスの利用に要する費用を保障する公的保険制度です。介護保険料は会社が、40歳から64歳までの従業員が負担する保険料の1/2を負担します。

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金は、児童手当や仕事と子育ての両立推進などの費用を確保する目的で実施されます。この拠出金は会社が全額を負担します。

法定外福利厚生の種類と内容一覧

世の中には、さまざまな種類の法定外福利厚生があります。

以下に、世の中に存在する法定外福利厚生の一覧をまとめたうえで、種類ごとに内容の例を解説します。

法定外福利厚生の種類

内容(例)

住宅関係

住宅手当の支給や家賃補助

通勤関係

通勤手当の支給

食事関係

勤務時の食費補助、弁当支給

子育て及び介護関係

育児・介護費用の補助

働き方(ワークライフバランス)関係

リフレッシュ休暇、ボランティア休暇の付与

余暇関係

食事や宿泊などの施設の利用料金の補助

慶弔及び災害関係

結婚や出産の祝金、傷病や災害の見舞金

健康関係

フィットネスジムや人間ドックの費用補助

自己啓発関係

資格取得、セミナー・研修会参加費用の補助

財産形成関係

確定給付企業年金や確定拠出年金への加入

住宅関係

住宅関係の法定外福利厚生としては、従業員の家賃を一部補助する家賃補助や住宅手当があります。このほか、住居確保を支援するために、社宅や社員寮の提供なども行われます。

通勤関係

通勤手当は代表的な法定外福利厚生です。公共交通機関の実費を支給したり、自動車通勤者に対するガソリン代の補助などが一般的です。あまり多くはありませんが、専用車両による送迎なども福利厚生の一部として実施されます。

食事関係

食事関係の法定外福利厚生として歴史があるのは、社員食堂です。近年では栄養バランスの取れた充実した社員食堂メニューが有名になった企業もあります。従業員が休憩時に使えるフリードリンクや無料のおやつコーナーを設置している企業も増えてきました。

このほか、食費の一部補助や弁当の支給なども福利厚生の一部として行われています。

子育ておよび介護関係

子育ておよび介護関係の法定外福利厚生としては、ベビーシッターや保育所、介護施設の利用料金の補助などがあります。そのほか、社内保育所を設置して育児を支援したり、育児や介護を支援する福利厚生の一環として短時間勤務制度などを導入する企業もあります。

働き方(ワークライフバランス)関係

従業員のワークライフバランスを後押しする福利厚生も近年導入する企業が増えています。

具体的には、リフレッシュ休暇やボランティア休暇などといった年次有給休暇以外の特別休暇の付与、フレックスタイムや在宅勤務などの柔軟な働き方を実現させるための制度の導入などがあります。

余暇関係

従業員の業務外に過ごす時間(余暇)を充実させることを目的とした福利厚生もあります。食事や宿泊などの施設の利用料金の補助、レクリエーション設備の整備、企業が費用を全額負担する社員旅行や社内懇親会なども福利厚生の一環として行われています。

慶弔及び災害関係

従業員やその家族に関するお祝い事やお悔やみ事があった際の福利厚生もあります。結婚祝い金、出産祝い金、傷病見舞金、災害見舞金、死亡弔慰金といった現金の支給を行うほか、結婚休暇や死亡休暇などの慶弔休暇の付与などがあります。

健康関係

従業員の健康増進やヘルスケアを目的とした福利厚生も近年人気です。フィットネスジムの利用料金の補助などのほか、人間ドック、医薬品の購入、インフルエンザなどの予防接種などの費用補助などがあります。福利厚生の一環として勤務時の朝食や残業時の食事の提供を行うケースもあります。

自己啓発関係

従業員の自発的な能力開発やスキルアップを支援する福利厚生も、近年注目度が高まっています。資格取得やセミナー・研修会への参加、通信教育の受講、書籍購入費用補助などのほか、資格を取得した従業員へ資格手当を支給するなどがあります。

財産形成関係

従業員の財産形成支援を目的とした法定外福利厚生としては、老後資金を確保するための確定給付企業年金や確定拠出年金への加入などがあります。このほか、給与の一部を貯蓄する財形貯蓄制度や社内預金制度、従業員持ち株制度の導入などがあります。

おすすめの福利厚生をチェック! 

多様化する従業員のニーズに対応するため、最近では工夫を凝らした福利厚生を導入している企業が増えています。話題の福利厚生をいくつか紹介します。

退職後の出戻り歓迎制度

自社で働いていた従業員が転職したり退職したりしたのちに、復職するのを歓迎する制度を福利厚生として導入している企業もあります。出戻りができる期間や条件などは企業によりますが、一度、働いているので互いに実情をよく理解していること、転職などで他社で学んだ知識などを活用してより一層の成果を出してくれる可能性があることなど、企業にとっても従業員にとっても、利用価値の高い制度として注目されています。


昼食やドリンク無料

勤務中の飲み物や軽食、昼食などをサポートする制度は、多くの企業が導入しています。社員食堂を自前で用意するのは難しい場合でも、ドリンクを無料にしたり弁当屋などと契約するなどして工夫するケースが多いようです。従業員に喜ばれる制度といえます。

平日と休日の入れ替え制度

土日などの休日と平日の勤務日を入れ替えられる制度です。休日の静かな環境で集中して仕事をしたい、連休を取りたいといった従業員のニーズに応える制度といえます。

アニバーサリー休暇

個人的な記念日に休暇をとれる制度です。結婚記念日や誕生日などを取得可能にしたり、従業員が自由に記念日を設定できる企業もあるようです。リフレッシュ休暇や夏季休暇などと並んで、従業員のライフワークバランスを向上させる効果が期待できます。

健康サポート

インフルエンザ予防接種などを無料で受けられたり、無料で受けられるマッサージや、毎日昼寝や休息ができる時間やスペースを確保するなど、従業員の健康増進に役立つ制度を導入するケースも増えています。

ペットサポート

ペットの看病について休暇を取れる制度です。家族の介護や看病のために休暇を取れる制度は従来より多くの企業が導入していますが、ニーズの多様化に対応し、その対象をペットにまで広げています。

カフェテリアプラン

さまざまな制度を自社で工夫して創設するほかにも、社外の福利厚生代行会社が提供する「カフェテリアプラン」を導入する企業も増えています。

カフェテリアプランとは、あらかじめ一定期間内に使用できる福利厚生の費用の上限額をポイントの形で従業員に付与し、ポイントの範囲内で福利厚生メニューの中から自分が利用したいサービスを利用するものです。メニューは、育児や介護、余暇、健康、自己啓発関連など多岐に渡ります。

福利厚生を拡充する際の注意点4つ! 

福利厚生は費用対効果を考えたうえで実施する必要があります。

以下に、福利厚生を実施する際の注意点を4つ解説します。

従業員のニーズとマッチした制度を導入する

福利厚生は、一人でも多くの従業員に利用してもらい、その結果満足度や定着率向上につながるものでなければ意味がありません。たとえばインターネットでは、福利厚生サービスの利用ランキングなどを見つけることができますが、ランキング上位だからといって自社の従業員にマッチするとは限りません。

福利厚生サービスを導入するにあたっては、まず従業員の要望を把握することが大切です。

そのためには、従業員アンケートを実施して福利厚生に関する従業員のニーズを全体的に把握すると同時に、一定数の面談による聞き取りを行って、リアルな気持ちを聞くなどするとよいでしょう。

また、従業員にとって魅力的な制度を用意するためには、日頃の情報収集も大切です。近年では各社が工夫を凝らした福利厚生を用意しており、しばしばインターネット上のニュースや展示会などで最新の動向をチェックしておきましょう。

これらの調査を踏まえ、内容面でも費用の面でも自社にとって無理のないものを導入するのがポイントです。

誰もが利用できる制度を導入する

制度導入の際注意したいのは、不平等感のないメニューを用意することです。たとえば、家族向けのサービスに関する福利厚生だけを充実させてしまうと、独身の従業員たちが利用できなくなり、不満が生じてしまいます。その結果、従業員の満足度や自社に対する帰属意識の低下につながり、逆効果となります。

性別や年代、生活環境などに関係なく、誰もが利用できる内容を制度化することが必要です。

同一労働同一賃金に注意する

2019年4月1日から施行された働き方改革関連法の一つに、「同一労働同一賃金」があります。この法律によって、働き方が同じである正社員と非正社員との間では、労働条件に差を設けてはならないという法的根拠が整ったといえます。

ここでいう労働条件の中は、福利厚生も含まれます。たとえば福利厚生の対象となる従業員を正社員のみとすることは可能ですが、「業務の内容」「責任の程度」「配置の範囲」などの観点から実質的に働き方が同じである正社員と非正社員が混在する場合は、同一労働同一賃金に反した運用とならないように注意する必要があります。

定期的に効果を検証する

福利厚生の提供にはコストが発生します。たとえば施設の利用などのサービスを提供している場合は管理の手間も発生します。そのため従業員の利用が少ない場合、費用対効果が低いという結果が生じます。

このような事態を避けるためにも、実施している福利厚生メニューについては、定期的に効果を検証しましょう。従業員の利用が少ないものは、制度の廃止や新たな制度の導入を検討するなど、費用対効果を高めるための対応を取ることが大切です。

まとめ

人口減による人手不足が社会問題となっている今日、従業員の満足度を向上さて定着率を上げる取り組みが必要になっています。そのための手段の一つとして、福利厚生の充実が重視されるようになりました。

法律で定められた法定福利厚生を実施していくことは最低ラインの義務です。法定福利厚生に加えて、従業員があると嬉しいと思うことや他社にはないユニークなサービスを法定外福利厚生として制度化することで従業員との結びつきを強化することは、企業にとってプラスに働きます。

福利厚生に関する情報を得るには、多くの福利厚生代行会社が出展する展示会などで話を聞くのも有効です。展示会では福利厚生の近年の動向などの解説もあるので、自社の福利厚生を充実させるヒントを探しに参加してみてはいかがでしょうか。

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*委員会調べ。同種展示会との展示面積の比較

●執筆者紹介

大庭真一郎(中小企業診断士、社会保険労務士)

大庭経営労務相談所 代表 東京都出身。東京理科大学卒業あと、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。