請求書払いとは?流れやメリット・デメリット、注意点をわかりやすく解説

公開:2026.3.11

更新:2026.3.11

請求書払いは、商品やサービスの提供後に代金を受け取る後払い方式の1つです。


企業間取引では一般的な支払方法ですが、キャッシュフローへの影響や未回収リスクなど、請求する側(売り手)と支払う側(買い手)それぞれに特有のメリット・デメリットが存在します。


この記事では、請求書払いの基本的な仕組みから流れ、双方     のメリット・デメリットまで解説します。


なお、請求書払いにかかわる情報を効率的に得たい方は、財務会計や管理会計、請求書発行、経費精算など、経理・財務領域のサービスが一堂に集う展示会への来場もご検討ください。


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請求書払いとは?


請求書払いとは、商品やサービスの提供後に売り手が買い手へ請求書を発行し、指定された期日までに代金を支払ってもらう決済方法です。企業間取引で広く採用されており、「掛け払い」や「後払い」とも呼ばれています。


     なお、掛け払いと後払いは本質的に同じ仕組みを指しており、商品やサービスを先に受け取り、後から代金を支払う点で共通している形式です。一般的に「掛け払い」は企業間(BtoB)取引で使われる呼称であり、「後払い」はBtoBに加えBtoC取引(近年増加しているBtoB後払い決済サービスなどを含む)     でも用いられる傾向があります。


買い手側は即座に現金を用意する必要がなく、月末締めや翌月払いなど柔軟な支払条件を設定できる点が請求書払いのメリットです。


一方で、買い手の信用を基盤とした取引形態であるため、売り手側は事前の与信審査を行う必要があります。また、買い手側からの入金までに時間がかかるため、キャッシュフロー管理や未回収リスクへの対応が求められる支払方式でもあります。


請求書払いの流れ


請求書払いを円滑に進めるためには、一連の業務フローを正確に理解しておく必要があります。


  1. 取引開始前に買い手の支払能力や信用状況を確認する

  2. 商品・サービス提供後に請求書を発行し買い手へ送付する

  3. 指定期日に入金を確認し売掛金を消込する

  4. 未入金の場合は催促を行い代金を回収する


以下では、各ステップについて詳しく解説します。


与信審査


与信審査とは、取引先の支払能力や信用状況を調査し、安全に取引できるかを判断することです。新規取引を開始する前に実施することで、代金未回収のリスクを事前に軽減できます。


具体的には、企業の財務状況や過去の支払履歴、業界内での評判、経営者の信用情報などを多角的に確認します。信用調査会社のデータベースを活用したり、決算書の提出を求めたりすることで、客観的な判断材料を集めることが可能です。


審査の結果に基づいて、取引の可否だけでなく与信限度額も設定しましょう。万が一代金が未回収となった場合でも、損失を最小限に抑えられます。


請求書の作成・送付


取引で発生した商品やサービスの内容、金額、支払期日などを明記した請求書を作成します。記載すべき主な項目は以下のとおりです。


  • 請求書番号

  • 発行日

  • 取引先名

  • 単価と数量

  • 合計金額

  • 消費税額

  • 振込先口座情報

  • 支払い期日


作成した請求書は、郵送や電子メール、専用システムを通じて取引先に送付します。


近年では電子請求書の普及により、ペーパーレス化が進んでおり、送付コストの削減や業務効率化が図られています。


請求書の送付時には、取引先が指定する方法や形式を確認し、事前に合意した締め日に合わせて適切なタイミングで送付することが大切です。


入金確認・消込処理


入金確認・消込処理とは、請求書に記載された支払期日までに取引先から正しく入金されたかを確認し、売掛金を消し込む作業です。


銀行口座の入金明細と請求書の内容を照合し、金額や入金日、取引先名が一致しているかをチェックします。入金額が請求額と異なる場合や、振込手数料の差し引き処理がある場合は、その理由を確認して適切な対応が必要です。


消込処理では、入金が確認できた売掛金を会計システム上で処理し、未入金の請求書と区別して管理します。


複数の取引先がある場合、入金確認作業は煩雑になりやすいものの、会計ソフトや請求管理システムの自動照合機能を活用することにより業務を効率化できます。


催促・代金回収


支払期日を過ぎても入金が確認できない場合は、取引先へ催促を行います。


支払いの意思はあったにもかかわらず事務ミスが発生しているなどの可能性もあるため、まずは丁寧な確認の連絡から始めることが望ましい対応です。


催促業務は取引先との関係性にも影響するため、相手の状況を考慮しながら進めましょう。


初回の催促は、メールや電話で支払期日が過ぎていることを伝え、入金予定日を確認するのが一般的です。それでも入金がない場合は、段階的に督促状を送付するなど、より強い姿勢での催促に移行します。長期間にわたって未入金が続く場合は、法的措置も視野に入れた対応が必要です。


また、未回収リスクを最小限に抑えるためには、早期の対応と定期的な入金状況の確認を行うことが大切です。


【請求する側】請求書払いのメリット・デメリット


請求書払いは、請求する側(売り手)にとって新規顧客の獲得や取引拡大といったメリットがある一方で、資金繰りや未回収リスクなどのデメリットもあります。


以下では、請求する側の請求書払いのメリット・デメリットを解説します。


請求書払いのメリット


請求書払いを導入することで、請求する側の企業は多くのメリットを得られます。主なメリットは、以下のとおりです。


  • 新規顧客の獲得機会が増える

  • 取引金額の拡大が期待できる

  • 継続的な取引関係を構築できる

  • 業務の効率化が図れる


商取引においては、後払いを希望する企業が多いため、請求書払いに対応することで商談成立の可能性が高まります。また、即時支払いが不要なことで顧客は高額な商品やサービスも購入しやすくなり、結果として取引額の増加が見込めるでしょう。


さらに、企業間取引で一般的な決済方法である請求書払いは、定期的・長期的な取引につながりやすく、継続的な取引関係の構築にも寄与します。加えて、決済や入金確認の手間を削減できるため、経理・請求業務の効率化も図れます。


請求書払いのデメリット


請求する側にとって、請求書払いの主なデメリットは以下のとおりです。


  • 代金未回収のリスクがある

  • キャッシュフローが悪化する可能性がある

  • 与信管理や債権管理の業務負担が増える

  • 請求書の作成や送付、入金確認などの事務作業が煩雑になる


支払期日までに入金されない場合、売掛金が回収できず損失を被る恐れがあります。特に取引先の経営悪化や倒産が発生すると、代金の全額回収が困難になるケースも珍しくありません。そのため、取引先ごとに支払い能力を見極める与信管理や、未回収債権を継続的に管理・督促する債権管理業務が必要となり、担当部門の業務負担が増加します。


また、商品やサービスを提供してから実際に入金されるまでにタイムラグが生じるため、企業の資金繰りに影響を与える点も課題です。加えて、請求書の作成・送付、入金状況の確認など付随する事務作業が多く、業務が煩雑になりやすいというデメリットもあります。


こうした課題を解決するために、近年では与信審査から請求書発行、入金消込までを一元管理できるクラウドシステムも多く登場しています。


【支払う側】請求書払いのメリット・デメリット


請求書払いは、支払う側(買い手)の企業にとっても重要な決済手段です。資金繰りの調整がしやすいといったメリットがある反面、支払い忘れや信用低下のリスクといったデメリットも考慮する必要があります。


以下では、支払う側における請求書払いのメリット・デメリットを解説します。


請求書払いのメリット


請求書払いは、支払う側     の企業にとっても多くのメリットをもたらす決済方法です。特に企業の財務管理や業務効率の面でメリットがあります。


主なメリットは、以下のとおりです。


  • 資金繰りの見通しが立てやすくなる

  • 支払業務の効率化が図れる

  • 高額な商品やサービスを購入しやすくなる


支払期日まで猶予があるため、手元資金を確保しながら計画的に支払準備ができます。


また、複数の取引をまとめて支払うことで、都度振込を行う手間や振込手数料を削減できる点も魅力です。


即時支払いが不要なため、予算を超える金額の商品やサービスでも購入を検討しやすく、ビジネス機会を創出できます。


請求書払いのデメリット


支払う側にとって請求書払いの主なデメリットは、以下のとおりです。


  • 支払い忘れや遅延のリスクがある

  • 与信審査に時間がかかる場合がある

  • 支払期日の管理が煩雑になる

  • 支払遅延時に信用を失う可能性がある


請求書が複数の取引先から届く場合や企業ごとに支払期日が異なる場合、期日管理が複雑になり、支払い漏れのリスクが高まります。



また、新規取引の際には買い手側の与信審査が必要となるため、取引開始まで時間を要することもあります。


支払いが遅れた場合には取引先からの信頼を損ない、取引条件の悪化や取引停止につながる恐れがあるでしょう。


延滞金や遅延損害金を請求される可能性もあり、支払期日厳守のためには適切な管理が大切です。


請求書払いの注意点


請求書払いを円滑に進めるには、いくつかの注意点があります。


  • 与信管理を定期的に実施する

  • 支払条件を事前に明確化しておく

  • 押印を忘れずに行う

  • 請求書払いに関わる法規制を事前に確認しておく


以下では、請求書払いの注意点を解説します。


与信管理を定期的に実施する


取引開始時の与信審査だけでなく、定期的な与信管理が大切です。


取引先の経営状況は常に変動しており、業績悪化や財務状態の変化により支払能力が低下する可能性があるためです。


定期的な見直しでは、決算書の確認や支払履歴の分析、信用調査会社の情報更新などを通じて、取引先の現状を把握しましょう。


特に、取引金額が大きい場合や支払遅延が発生した際には、速やかに与信限度額を見直す必要があります。


取引に問題がない場合でも、1年に1回は見直しを行いましょう。


支払条件を事前に明確化しておく


取引開始前に締め日や支払期日、支払方法、振込手数料の負担などを双方で合意し、契約書や発注書に明記しましょう。


曖昧な取り決めは、後々の認識の相違や支払遅延の原因となるため注意が必要です。


特に支払期日については、月末締め翌月末払いなど具体的な日付を設定し、支払方法は銀行振込や電子決済(または2026年を目処に廃止・電子化が進められている手形)など     詳細を定めておくことが大切です。


また、振込手数料をどちらが負担するかも明確にしておくことで、余計な確認作業を省けます。


支払遅延が発生した場合の遅延損害金の利率や、督促手順についても事前に取り決めておけば、万が一の際にも円滑に対応可能です。


押印を忘れずに行う


請求書や契約書への押印には法的義務はないものの、ビジネス慣習として広く定着しており、書類の正式性や真正性を示す役割を果たします。


特に企業間取引では、押印のない請求書が受理されないケースや、支払処理が遅延する可能性があるため注意が必要です。


近年は電子請求書の普及により押印が不要になるケースも増えていますが、従来の紙の請求書を使用する場合は、押印漏れがないよう社内チェック体制を整えることが大切です。


請求書払いに関わる法規制を事前に確認しておく


請求書払いを導入する際は、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応が求められます


2023年10月から開始されたインボイス制度では、適格請求書を発行するために、課税事業者は適格請求書発行事業者としての登録が必要です。


登録番号や税率ごとの消費税額を請求書に明記し、端数処理も税率ごとに1回ずつ行うルールに従わなければなりません。受領側は取引先の登録状況を確認し、仕入税額控除の適用可否を判断する必要があります。


電子帳簿保存法では、2024年1月から電子取引で授受した請求書を電子データのまま保存することが完全義務化されました。


タイムスタンプ付与、訂正削除履歴が残るシステムの利用、または事務処理規程の備え付けにより、真実性を確保する対応が必要です。検索機能を備え、明瞭に出力できる環境も整えなければなりません。


なお、請求書の保存期間は法人が7年間、個人事業主は5年間(ただし、個人でも適格請求書発行事業者として登録している場合は7年間)と定められています。


まとめ


請求書払いは、企業間取引において広く採用されている後払い方式の決済方法です。


買い手にとっては資金繰りに余裕が生まれ、売り手にとっては取引機会の拡大につながるメリットがあります。一方で、代金未回収のリスクや請求管理業務の負担増加といったデメリットもある点には注意しましょう。


請求書払いを円滑に進めるためには、適切な社内体制の整備とシステム化が必要です。


なお、請求書払いの導入や効率化を検討しているなら、請求書関連を含む経理業務全般のソリューションが一堂に会する展示会へ足を運ぶのもおすすめです。


最新のサービスを比較検討し、自社に最適な方法を見つけましょう。


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