マーケティングファネルとは?基礎から種類、活用方法まで徹底解説!
公開:2024.9.9
更新:2025.7.17
マーケティングファネルは、消費者の購買プロセスを段階ごとに分けてモデル化したフレームワークです。このファネルを理解することで、適切なマーケティング戦略を実施できます。マーケティングファネルにより、顧客の製品への認知から購入、そして支持するまでのカスタマージャーニーを理解することができます。この記事ではマーケティングファネルの概要やその活用方法などについて解説します。効果的なマーケティング戦略創出にお役立てください。
マーケティングファネルとは?
マーケティングファネルとは、消費者が商品やサービスを購入するプロセスを段階的にモデル化したフレームワークです。このモデルは、消費者の行動段階を理解し、適切なマーケティング戦略を実施するために役立ちます。
消費者の購買プロセスを表す形がファネル(ろうと・じょうと)の形状に似ていることから、この名称が付けられました。各プロセスの階層へ効率よくアプローチすることでマーケティングの成果向上につながります。
マーケティングファネルとカスタマージャーニーの違い
マーケティングファネルとカスタマージャーニーは、いずれも顧客の購買までの流れを整理するフレームですが、注目する視点が異なります。
ファネルは「数の変化」に着目し、どの段階で何人が離脱しているかを把握するための図式です。一方、カスタマージャーニーは「顧客の心理と行動」に焦点を当て、各接点で顧客が何を感じ、どんな情報を求めているかを可視化します。
前者は施策全体の効果測定や改善の優先順位を整理するのに役立ち、後者は個々のタッチポイントで最適なアプローチを設計するのに適しています。目的や検討段階に応じて、両者を使い分けることが効果的です。
マーケティングファネルを実際に活用するには
マーケティングファネルを理解するだけではなく、実際の業務にどう活かすかが重要です。多くの施策が並行する中で、優先順位や施策の方向性を明確にするための道しるべとして、ファネルは大きな役割を果たします。
ファネルを活用することで、今の施策が「どの段階の人」に向けたものかを整理しやすくなります。たとえば、新しく自社を知ってもらいたいなら、SNSや広告などで広く情報を届けることが必要です。一方で、商品に関心を持った人には、サービス内容を詳しく伝えるページや、事例・レビューなどを用意すると効果的です。
このように、見込み客の状態に合わせてアプローチを変えることで、よりスムーズに購入や問い合わせにつなげることができます。また、社内で「誰向けの施策か」を明確に共有できるので、チーム内の連携や作業の優先順位も立てやすくなります。限られた時間や予算の中でも、効果の出やすい打ち手を見極めやすくなります。
3種類のマーケティングファネルがある
マーケティングファネルとして知られている主なものは、「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3種類です。
パーチェスファネルの各階層
ここからはファネルの各階層の詳細を解説していきます。まず、パーチェスファネルについて説明しましょう。
パーチェスファネルは、商品やサービスの認知から見込み客になり、最終的に購買に至るまでの行動や状態以降を売り手側の視点で図式にしたものです。①認知→②興味・関心→③比較検討→④購入の4つのステージで進みます。
認知
パーチェスファネルの第一階層は「認知」です。認知とは、見込み顧客が商品やサービスを認知する段階であり、この時点では、ニーズや解決すべき課題が明確ではないことが多いのが特徴です。そのためマーケティング担当者はマーケティングターゲットなどを設定し、ブログやウェブサイト、広告などを活用して見込み客を集客します。想定される課題や悩みなどを集約して、ペルソナも設定するとわかりやすくなります。
興味
認知の次にくるのが「興味・関心」の階層です。この段階では見込み客が製品に興味や関心を持っています。ホワイトペーパーの提供やメルマガ配信、セミナー開催などの施策を通じて、見込み顧客の購買意欲を高めていく施策が一般的です。一度だけではなく、継続的な情報提供が成功のカギになります。
比較・検討
「比較・検討」とは、見込み客が製品を比較し、実際に購入を検討する段階です。リアルな店舗では店頭で、ECなどの場合にはレコメンド機能やチャットボッドなどを用いて、顧客に直接営業を行います。店員などが製品説明を行ったり、製品デモなどを通じて機能性を実感してもらうフェーズとなります。期間限定のプロモーションなどキャンペーンも行われます。
購入
最終段階は顧客が製品を購入する段階となります。ここではメリット・デメリットを説明したり、顧客の不安を払拭するなど丁寧な対応が求められます。購入後は、顧客管理をしっかりと行って、顧客満足度を向上させるような施策を考えなければなりません。購入後のアンケートや提供サービスに内容なども事前に説明しておくと、製品やブランドへのロイヤリティが高まります。
インフルエンスファネルの各階層
インフルエンスファネルは、顧客が商品やサービスを購入したあとの行動プロセスを三角形 で図式化したものです。①継続→②紹介→③発信というプロセスを進みます。
継続
インフルエンスファネルは顧客が商品を購入してから情報発信・拡散するまでのプロセスを示しています。インフルエンスファネルの第一段階である「継続」は、既存顧客に再購入や別商品の購入を促す段階といえます。この段階では同じ商品やブランドを継続して購入する顧客に対して、新機能など新しい要素のアナウンスをしたり、新商品、もしくは既存製品をよりよく使用できるための別の製品などを紹介することが有効です。
紹介
紹介は顧客が知人などに商品を紹介して、共有していく段階です。口コミももちろん、実際に使っている様子を見せるケースもあるでしょう。これらの行動すべてが、顧客の周囲の知人などに対する製品PRになります。消費者目線での紹介は、その顧客をよく知っている人たちだけに行われることが多く、情報への信頼性が高いのが特徴です。
発信
発信は、購入した顧客がSNSや口コミサイトで情報を拡散する段階です。商品についての説明はもちろん、個人の感想として機能や魅力などを掲載してくれます。広告であることを隠して広告するステルスマーケティング(ステマ)は違法行為ですが、個人が口コミや商品紹介を書きやすいような情報を発信しておくことで、主体的な書き込みを促すことにつながります。
ダブルファネル
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。顧客行動におけるボトルネックを分析する際に活用、顧客行動を包括的に理解できます。
マーケティングファネル活用のメリット
ファネルを活用することで、顧客が商品やサービスを知ってから購入に至るまでの流れを把握できます。どの段階で離脱が起きているかを明確にできるため、改善すべきポイントが見つかりやすく、効率的な施策につなげることができます。
成果が出るマーケティングファネルの活用方法と有効なチャネル
製品導入時にはこれらのマーケティングファネルを戦略化し、フェーズに合わせて実行し効果測定なども行うことが大切です。ファネルの実際の活用方法について解説します。
マーケティングファネルを活用するには、まず見込み顧客を選定します。
たとえば有機野菜を販売する場合には、有機野菜に興味がある、またはすでに購入している層をセグメントし、そこに認知されるような施策からスタートします。
具体的には、農家で野菜がどのように栽培されているか、環境への配慮なども含めてサイトやSNSなどで発信します。
さらにこの発信のなかで、たとえば有機野菜を使うことで、地球環境に貢献できているといったアピールもすることで、認知から興味・関心の段階へ進めさせることが可能です。その農産物の機能性やおいしさ、栄養価、また場合によっては希少性などもアピールし、購入につなげます。購入後も、再来店を促すためにポイントカードやお店のチラシなどを渡して、顧客満足度を上げていきます。
階層ごとに有効なチャネル

次に階層ごとに有効なチャネルとその活用方法について簡単に解説します。
認知
顧客への認知を広めるには、まず商品を知ってもらうところからスタートし、いかに機能性が優れているか、顧客の悩みを解決してくれる商品やサービスなのかをアピールしていきます。
まだ自社商品やサービスを知らない潜在顧客に対しては、広告やWebサイト、SNSなどを活用して認知を広げる施策が適しています。
興味
見込み客の興味・関心を高めるためには、商品のメリットを伝えたり、ユーザーが抱える課題の解決方法を提示したりする施策が効果的です。
ウェビナー、SNS、動画サイト、ブログホワイトペーパー、AIチャットなどによるコミュニケーションなども興味を掻き立てるチャネルとして機能します。
比較・検討
この段階の見込み客は購入の手前まで来ている状態です。このステージでは、競合他社との比較検討を進めさせるような施策が必要です。商品の使い方を具体的に説明したり、購入後のサポートを提案したりすることで、購入に至る可能性を高めます。
Webサイトにおいて記事や動画などのコンテンツを提供したり、タイミングを合わせて顧客にカタログやパンフレットを送付することができます。
購入
販売店やECサイトなどを紹介し、購買につなげます。この前の段階である比較・検討と購入のプロセスでは、リアル・デジタルチャネルをうまく組み合わせることがポイントとなります。特にB to Bではリアルとの融合は必須です。
継続
顧客情報を活用して、継続購入を促すキャンペーンなどを発信したり、サブスクのサービスなどを紹介するなどして、継続的な利用を促します。
紹介
ロイヤリティ向上のために、わかりやすい解説やアフターフォローなどを入れていくと効果的です。継続的なコンタクトにより顧客のロイヤリティが高くなると、他者に積極的に共有してくれる顧客が現れます。近年ではSNSでの発信が主流となり、動画投稿という形でも口コミが広がります。従来のターゲットマーケティングにも有効です。
発信
「紹介」顧客のロイヤリティが高くなると、行われるフローが「発信」です。顧客がブランドや製品に対して顧客ニーズを叶えたりすることで、SNSなどで発信されます。顧客が発信しやすいように、HPやパンフレット、ブランドSNSなどのコンテンツを考察したり、投稿などにふさわしい画像や動画もあるとよいでしょう。
近年のマーケティングファネルに対する考え方

近年のマーケティングファネルは、消費者行動や購買心理の変化に合わせて新たなアプローチが模索されています。
マーケティングファネルの考え方は古いってホント?
最近、「マーケティングファネルは古い」といった意見を目にするようになりました。マーケティングファネルが古いとされる理由の一つに、ファネルの形状が一方向性であり、顧客を「取り込む」ことに焦点を当てているということがあります。
現在では顧客による情報発信や共有が可能になっており、企業から顧客への一方向のマーケティングモデルは、効果を把握しずらいという見方があります。そこで、近年「フライホイール」というモデルが登場してきました。
フライホイールは、ネルギーを蓄えて回転するホイールをイメージしたものです。顧客を中心に置き、顧客の満足度やロイヤリティを高めることに注力して、新たな顧客を引き寄せるという循環を促します。
マーケティングファネルが有効な場面
前述のように新たなモデルが登場しているものの、マーケティングファネルの価値がなくなったわけではありません。
マーケティングファネルの価値は、顧客の認知から購買に至るまでの心理的過程をモデル化し、消費者の購買プロセスごとに有効なアプローチを組み立てやすくする点にあります。消費者の行動プロセスを理解し、適切なマーケティング施策を実施するという点で、依然としてマーケティングファネルは有効だといえるでしょう。
特にマーケティングファネルが有効なのは、ペルソナの設定や戦略の見直しの場面です。
顧客のカスタマージャーニーを想定し、各段階の顧客ニーズを予測することでペルソナ設定が容易になります。また、マーケティング戦略がうまく機能していない時、どの段階へのアプローチを見直すべきか、ファネルに当てはめて分析することで原因の特定と改善戦略の策定がスピーディになります。
まとめ
現在でもマーケティングファネルは、顧客の行動プロセスに合わせて適切なアプローチを考えるための有用なツールといえます。各階層の名称はさまざまですが、顧客にサービスや商品についての気づきを促し、より深く情報を理解させ、比較検討をさせたうえで、コンバージョン(購入)に結び付け、最終的にはアドボカシー(支持)を得て、顧客自身による他の顧客への共有や発信につなげていくといった基本的なステージの考え方は有効であり、それぞれのステージに合わせて、効果的なマーケティング戦略を立てることが重要です。
展示会への出展は、こうしたプロセスを一気通貫で、そして顧客の状況に合わせて進ませることができる、さまざまな施策のなかでも特異な地位を占めています。
また、各階層によって異なる施策を行うデジタルマーケティングは、それぞれの施策に費用や工数がかかりますが、展示会は1度の出展で各階層それぞれにアプローチできるため、費用や工数も抑えられます。
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●執筆者紹介
長井美有紀
日本サステナブル化粧品振興機構 代表、昭和女子大学現代ビジネス研究所 研究員
化粧品業界に長く、早くから「環境×化粧品」を提唱。業界・企業・一般に化粧品の環境・社会課題について解く。サステナブル美容の専門家としても活躍し、主に生物多様性と産業について研究。講演や執筆、大学での講義などで幅広く活躍。マーケティングの経験・知識も活かし、グリーンマーケティングなども提唱する。