データドリブンとは?すぐに進めるべき理由や成功への道筋などを解説
公開:2024.9.9
更新:2025.1.6
近年、多くの企業がデータに基づいて意思決定をしたり組織づくりを進めたりする「データドリブン」に取り組んでいます。企業には顧客に関するデータや組織内のデータなど、さまざまなデータが蓄積されています。データドリブンとは勘や経験だけに頼るのではなく、これらのデータを用いることで、よりよい意思決定や新たな価値創造に結び付けようという動きといえます。本記事ではデータドリブンが求められるようになった背景や、データドリブンの進め方などについて解説します。
- そもそもデータドリブンとは?
- データドリブンが叫ばれるようになった背景
- 顧客行動の複雑化・多様性
- DXの推奨
- どのような場面でデータドリブンな意思決定が求められる?
- 経営
- マーケティング
- マネジメント
- ステップ別に解説!データドリブンな意思決定を行うためのプロセス
- データの収集と蓄積
- データの可視化
- 分析とアクションプランの検討
- アクションプランの実行
- データドリブンな組織を実現するために必要なこと
- KPI(Key Performance Indicator)の設定とモニタリング
- 組織全体でのデータ共有とコラボレーション
- データドリブンを実現するためのツール
- データ収集ツール
- BIツール
- DMP(データマネジメントプラットフォーム)
- プロジェクト管理ツール
- 自動化・効率化ツール
- まとめ
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そもそもデータドリブンとは?
「データドリブン」の意味はデータに基づいて意思決定することであり、顧客の行動履履歴や営業売上、経費など、さまざまなデータに基づいて意思決定を行い、アクションしていくことを指します。データの収集、可視化、分析・アクションプランの検討、アクションプランの実行というプロセスがあります。
ビジネスにおいて、以前からさまざまな客観的データに基づいて判断・アクションすることは行われていましたが、近年、デジタルイノベーションやビッグデータの普及により、データドリブンが注目されるようになりました。
経験や勘だけに頼らず、現状をデータによって把握・分析を行うことで、よりよい意思決定を行うことができます。またデータに基づく意思決定は周囲の社内外の関係者にとっても理解しやすく、スムーズな合意形成を促す効果もあります。
重要な経営課題についてだけではなく、企業のあらゆる立場、階層の人々がデータドリブンな意思決定を行うことで、企業全体のパフォーマンスを改善していくことが可能です。
データドリブンが叫ばれるようになった背景

最初に、近年データドリブンが注目されるようになった背景について解説します。
顧客行動の複雑化・多様性
データドリブンが注目された大きな要因の一つとして、顧客の購買行動が複雑化・多様化したことが挙げられます。顧客の購買行動は年々多様化しており、実店舗への来店だけでなく、ECサイトでのショッピングなども増えています。
顧客が自社の商品・サービスを選ぶ際、どこで商品を知ったのか、どこから流入したのか、決め手になった理由は何かといったことなどを把握することは、マーケティング施策を決めるうえで非常に重要です。データドリブンによって、顧客理解を深め、適切なアプローチを実現することができます。
DXの推奨
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、データとデジタルの力でビジネスモデルに変革を起こすことです。既存業務を整理して効率化を図る、複雑化・多様化する顧客のニーズをデータをもとに把握してアプローチを最適化する、データに基づく迅速な判断や将来への予測を行い新たなビジネスを創出・成長させるなど、変革の内容はさまざまです。
実はデータドリブンとDXは密接に関連しています。DXはデータの新たな利活用が前提となり、DXの実現にはデータドリブンな意思決定が不可欠だからです。そのためDXが推奨されるなかで、データドリブンにより大きな注目が集まるようになりました。
どのような場面でデータドリブンな意思決定が求められる?
データドリブンな意思決定はどのような場面で求められるのでしょうか。ここではより具体的なシーンについて解説します。
経営
データドリブンな意思決定は、経営の質向上につながります。経営者はデータを活用して戦略的な意思決定を行い、企業の成長や競争力を向上させることができます。戦略立案や目標設定、リスク管理、効率的な運用と改善など、有効なデータに基づいて戦略を立てることが可能です。経営において、データドリブンな意思決定が求められる理由には、正確な情報の必要性、リスクの軽減、効率化、顧客満足度の向上、競争力の獲得があります。
マーケティング
データドリブンな意思決定はマーケティング戦略の立案においても重要です。顧客の購買履歴や行動データを分析して、ターゲット市場を特定し、適切なプロモーション戦略を立てる際にデータドリブンな意思決定が求められるからです。
たとえば何らかのキャンペーンの効果を評価するためには、クリック率、コンバージョン率、ROI(投資対効果)などの指標を分析していきます。
マネジメント
データドリブンな意思決定は、人材採用や人事管理においても有効です。企業の採用活動においては、候補者の履歴書や面接結果を分析して、最適な人材を選定することができます。また、人事管理については、従業員のパフォーマンス評価やキャリアプランニングにも有効になります。マネジメントにおけるデータドリブンな意思決定には、人材管理などだけでなく、業績評価や目標設定、予算管理、意思決定の裏付け、変化の管理(他社のモニタリングなど)において重要です。
ステップ別に解説!データドリブンな意思決定を行うためのプロセス
ここまでデータドリブンとは何か、どのような場面で活用されるものなのかなどを解説してきました。次にデータドリブンの実現のために必要なステップについて解説します。

データの収集と蓄積
データドリブンを実現するためには、データを取集し蓄積する基盤が必要になります。企業内のさまざまなデータソースからデータを収集し、ビッグデータとして蓄積します。業務システム、基幹システム、Webサーバ、IoTデバイス、外部サービス、他社ツールなどが、データ蓄積の基盤となるものです。
ポイントはデータを収集することで何をしようとするのか、目的を明確にすることです。企業のデータは種類も量も膨大にあるため、やみくもに集めてもムダな労力を費やすだけになります。
データの可視化
データは集めただけでは、意思決定に活かすことはできません。生のデータは単なる数字の羅列でしかないため、そこから意味をくみ取ることが難しいからです。データを表やグラフ、チャートなどで目に見える形に加工(可視化)してはじめて、分析に使うことができます。
データの可視化にはビジネスインテリジェンス(BI)ツールやWeb解析ツールを活用するのが一般的です。これらのツールはデータを統合、加工したりして、自社や顧客の現状を可視化し、扱いやすくしてくれるものです。分析の目的によってたとえば店舗ごとの売上をグラフ化したり、ECサイトの滞在時間を割り出すなどを行います。
分析とアクションプランの検討
データを分析し、アクションプランを検討します。これには、データサイエンティストやアナリストのスキルが求められます。顧客行動、市場トレンド、競合他社の動向などを分析して、戦略的な意思決定を行い、アクションプランを策定していきます。
分析とアクションプランの検討は、データ収集→データ分析→アクションプランの策定、実行とモニタリング、フィードバックと改善、の手順が望ましいです。組織がこれらの手順を遵守し、データを活用することで、効果的な意思決定と業績向上を実現することができます。
アクションプランの実行
分析から導き出されたアクションプランを実行します。これには、組織的な実行力も重要です。プランを実行しながらデータに基づいて改善施策を策定・実行し、ビジネスの成果を最大化します。
データドリブンなアクションプランの実行では、リソースの割り当て、役割と責任の明確化、スケジューリングと情報共有、問題解決と障害の対処、進捗のモニタリングと評価、フィードバックと改善を行っていきます。組織がこれらの手順を遵守し、データを活用することで、効果的な意思決定と業績向上を実現することができます。
データドリブンな組織を実現するために必要なこと
ここまでデータドリブンな意思決定を行うためのプロセスについて解説してきました。次にこのようなプロセスを進めるにあたって、組織や人材面で必要なことについて解説します。
KPI(Key Performance Indicator)の設定とモニタリング
データドリブンな組織を実現するには、組織の目標に合わせたKPIの設定と、定期的なモニタリングが必要です。KPIは組織の重要なパフォーマンス指標であり、目標達成状況や業績を評価するための指標です。KPIは、収益、顧客満足度、生産性、品質など、組織の重要な側面をカバーする必要があります。
また、選択したKPIを具体的に定義し、それをどのように計測するかを明確にします。KPIの定義には、基準、目標値、計測方法、責任者などが含まれます。また、KPIの計測に使用するデータソースやツールも選定します。
そのために組織のマネージャーには、適切なKPI設定を含む組織目標を設定するスキルが求められます。組織としてデータドリブンを進めていくには、マネージャー層への教育が大きなポイントの1つとなるでしょう。
組織全体でのデータ共有とコラボレーション
データドリブンな組織を実現するために、文化の醸成、データアクセスの確保、データの透明性と可視化、コラボレーションツールの活用、データドリブンな意思決定の促進、教育とトレーニングを行うことが重要です。
組織のマネージャーは、部門間でデータを共有し、協力して問題解決や改善を行う文化を育てる必要があります。コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールを活用して、チームの連携を強化していきましょう。
データドリブンを実現するためのツール
データドリブンを実現するためには、さまざまなツールが役立ちます。これらのツールはデータの収集、可視化、分析、アクションプランの立案などに活用されます。

データ収集ツール
データドリブンなアプローチを実現するためには、データ収集ツールが重要です。データ収集ツールはさまざまなソースからデータを収集し、分析や意思決定に活用するための基盤となります。組織が適切なツールを選択し、データを効果的に収集して活用することで、データドリブンな意思決定を実現するための基盤を構築することができます。
BIツール
BI(Business Intelligence)ツールは、ビジネスのデータを収集し、分析し、視覚化するためのソフトウェアツールです。BIツールの機能や特徴は、データの統合、データ分析、可視化、ドリルダウン、リアルタイム分析などがあります。
BIツールは各々のビジネスニーズや予算に合わせて選択することができます。BIツールを利用することで、組織はデータドリブンなアプローチを実現し、効果的な意思決定を行うことができます。
DMP(データマネジメントプラットフォーム)
DMPはデジタルマーケティングにおいて、顧客やユーザーに関するデータを収集し、管理し、活用するためのプラットフォームです。DMPでは、データの集約、データのセグメンテーション、ターゲティング、リアルタイムデータの処理、効果想定と分析ができます。
広告主や広告代理店、デジタルメディア企業などが、ターゲティング広告やパーソナライズされたコンテンツの配信、データ駆動型のマーケティング活動などに活用されます。デジタル広告の世界では、ユーザーデータの収集、管理、分析が重要な役割を果たしており、その中心的な役割を果たしています。
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理ツールは、プロジェクトのタスクや進捗を追跡し、チームのコラボレーションを促進するものです。
さまざまなタイプのツールがあり、たとえばボードやカード形式等でタスクやプロジェクトを管理し、直観的な操作を特長とするもの、チームのコラボレーションやタイムラインの管理のしやすさを特長とするもの、ソフトウェア開発に強みを持つものなどがあります。
自動化・効率化ツール
データ処理やタスクの自動化に役立つツールとして、RPA(Robotic Process Automation)ツールやワークフローソフトウェアがあります。RPAツールは、ソフトウェアロボット(ボット)を使用して、ルーチンで繰り返しの業務やプロセスを自動化するためのソフトウェアツールです。
RPAツールは、金融、保険、ヘルスケア、製造、小売など、さまざまな業界で広く利用されています。ワークフローソフトウェアは、ビジネスプロセスやタスクの自動化、管理、効率化を支援するためのソフトウェアツールです。業務プロセス全体を可視化し、タスクの割り当て、進捗管理、通知、ルールベースの処理などを行うことができます。
まとめ
今日ではDXの流れを受けて、マーケティングのみならず、経営戦略やマネジメントの場面でも、データドリブンな意思決定が必要になります。また日本経済全体が深刻な人手不足に陥っているなか、データドリブンな組織づくりを促進し、業務の属人化を排して業務の効率化を進めることも重要です。
ただ一口に「データドリブンの促進」といっても、企業によって目指す形はさまざま。何から手を付けるべきかを検討したり、どのような進め方やツールがあるのかを把握するためにも、まずは情報収集からはじめてはいかがでしょうか。そのためにはツールやサービスが一堂に介する展示会を利用して、比較検討するのが効率的です。展示会で開発者と直接言葉を交わすなどして、その詳細を体験してください。
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●執筆者紹介
長井美有紀
日本サステナブル化粧品振興機構 代表、昭和女子大学現代ビジネス研究所 研究員
化粧品業界に長く、早くから「環境×化粧品」を提唱。業界・企業・一般に化粧品の環境・社会課題について解く。サステナブル美容の専門家としても活躍し、主に生物多様性と産業について研究。講演や執筆、大学での講義などで幅広く活躍。マーケティングの経験・知識も活かし、グリーンマーケティングなども提唱する。