マーケティングミックスとは何?どんな種類がある?気になる部分を解説
公開:2024.5.10
更新:2025.1.6
マーケティングミックスとは、複数のマーケティングフレームワークやツールを組み合わせて効果的な戦略を策定することです。フレームワークは4P(製品、価格、流通、プロモーション)や4C(顧客価値、コスト、顧客利便性、コミュニケーション)が有名ですが、そのほかにもさまざまなものがあります。
本記事では、マーケティングミックスで用いられる主要なフレームワークや成功事例のほか、最新手法を知るヒントなどについて解説します。
【目次】
- マーケティングミックスとは?
- マーケティング戦略における4つのStep
- Step1:環境分析
- Step2:基本戦略(STP分析)
- Step3:実行戦略立案(マーケティングミックス)
- Step4:実行と評価
- マーケティングミックスにおける4Pとは?
- Products(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(広告)
- マーケティングミックスの4Pと4Cは何が違う?
- 顧客価値(Customer Value)
- コスト(Cost)
- 顧客利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
- マーケティングミックスにおける4P以外の他概念
- 7P
- 8P
- 9P
- マーケティングミックスに成功した企業事例2選
- 成功企業事例(1)~大手カフェ
- 成功企業事例(2)~大手家具店
- まとめ
- デジタルでのマーケティングに限界を感じたら展示会出展!
マーケティングミックスとは?
マーケティングミックスとは、複数のフレームワークを組み合わせて多角的に分析し、より効果的なマーケティング戦略を策定できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
マーケティングミックスで使われるフレームワークとしては、冒頭で挙げた「4P」が有名ですが、今日では「7P」「8P」「9P」なども使われています。また、インターネットビジネスでは「4C」も活用されます(各フレームワークの詳細は後述します)。
どのようなフレームワークを使うのかは、ビジネスが置かれている環境や状況に応じて異なります。
マーケティング戦略における4つのStep

マーケティングは主に4つのStepで進められます。フレームワークを使って良い実行戦略を立てるには、その前提として自社や市場を分析し(Step1)、そのうえで参入可能な市場について分析し、基本的な戦略を立てる必要があるからです(Step2)。
各種の分析ののちに、フレームワークの示す領域を「ミックス」させて、実行戦略を考える段階に入ります(Step3)。戦略を立てたら、戦略を実行して振り返り、改善していくことになります(Step4)。
Step1:環境分析
Step2:基本戦略(STP分析)
Step3:実行戦略(マーケティングミックス)
Step4:実行と評価
Step1:環境分析
Step1では、内部環境分析と外部環境分析を行います。
内部環境分析では自社が保有する資源を分析し、強みと弱みを分析します。外部環境分析では市場、競合、社会環境の観点を分析します。
Step2:基本戦略(STP分析)
Step2では、自社の成長に適した市場を選択したり、市場での立ち位置を分析したりするためにSTP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を行い、基本戦略を立てます。STP分析は以下のプロセスでおこないます。
セグメンテーション(市場細分化)
市場を類似のニーズや特性を持つセグメント(顧客グループ)に分けます。セグメントには人口統計的、地理的、心理的、行動的な変数を用います。
ターゲティング(標的市場の選定)
自社がシェアを拡大できるセグメントを選定します。評価の基準には、成長性、競争度、自社のリソースとの適合性があります。また、1つのセグメントに集中する戦略と、複数のセグメントを選択する差別化戦略があります。
ポジショニング(立ち位置の決定)
選定したターゲット市場内で、製品やサービスをどのように差別化し、位置づけるかを決定します。
Step3:実行戦略立案(マーケティングミックス)
Step3では、具体的な実行戦略を策定します。これがマーケティングミックスの段階です。代表的なフレームワークについては後述します。
Step4:実行と評価
Step4では、施策の実行の段階に入ります。マーケティングが想定通りに進むのは稀なことです。そのため適切な評価をおこない、改善していきます。
マーケティングミックスにおける4Pとは?
前述の通りマーケティング戦略は4つのStepで進められ、Step3のマーケティングミックスの段階でフレームワークを使って分析を行い、実行戦略を策定していきます。
ここではStep3のマーケティングミックスの段階で使われる、代表的なフレームワーク4Pについて解説します。
4Pとは、自社の製品についてProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの領域に分けて分析し、製品開発に生かすフレームワークです。登場から半世紀以上がを経ていますが、今日でも重要度の高いフレームワークと位置づけられています。
Products(製品)
まず、基本戦略に基づいて製品の方向性を定めるコンセプトを策定します。さらにコンセプトを元に、品質、デザイン、機能性、ブランド名、パッケージングを決めます。
いったん製品を開発した後も、継続的なアンケートやインタビューを実施し、顧客の生のニーズを探り出し、製品開発に反映させ続けることが必要です。なお、「製品」には、モノとしての商品とサービスの両方が含まれます。
Price(価格)
価格設定は市場での競争優位を確保しながら、顧客の購買意欲を高める必要があります。生産コストや相場、競合の価格などから、適切な価格を設定します。ブランド戦略によっては、高めの価格を設定するケースもあります。
Place(流通)
流通戦略として、適切な販売チャネルの選定、流通経路の最適化、在庫管理の効率化、物流の改善などを検討します。製品が売れやすい売り場作りや物流を最適化することで、顧客が円滑に製品を手に入れることができるようにします。
Promotion(広告)
プロモーション戦略では製品の認知度を高め、価値を伝えることで顧客の購買意欲を高めていきます。この戦略には広告、セールスプロモーション、パブリックリレーションズ(PR)、ダイレクトマーケティングなどが含まれます。
具体的には、対象にした顧客グループに向けて効果的なメッセージを伝え、製品への興味を喚起して購買行動を引き起こします。
プロモーション戦略を通して顧客との関係性を深めることで、ブランドイメージも向上し集客力も高まります。
マーケティングミックスの4Pと4Cは何が違う?
4Pは大量生産・消費の時代に考案されたフレームワークです。そのため、企業視点で分析・検討を行う、プロダクトアウト的な発想が強いといえます。
一方で近年では、顧客にとっての価値を中心に据え、顧客視点で商品開発をするマーケットインの考え方が生まれました。そこで登場したのが、4Cなどのフレームワークです。
4Cとは、顧客価値(Customer Value)、コスト(Cost)、顧客利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4つの領域から分析を行います。4Cを使って検討することで、顧客ニーズに合致した製品の開発をすることが可能になります。
顧客価値(Customer Value)
顧客価値は顧客が製品やサービスに対して感じる価値のことです。使いやすさやデザイン、ブランド力などのことで、機能性だけでなく、感情的な価値も含まれます。製品を購入することで、顧客によい体験を提供するためにどのようなことができるかを考え、戦略を検討します。
コスト(Cost)
顧客目線で考えたとき、コスト(価格)とは、その製品を購入することで価値を体験するための費用といえます。「価格が高い」と感じるのは、「その体験に対しての費用が高い」と顧客側が判断したことになります。つまり顧客の体験する価値に着目し、その価値に合致する価格設定をおこなうことが重要です。
顧客利便性(Convenience)
利便性とは、顧客が製品やサービスをどれだけ簡単に入手できるかを指します。これには販売場所や購入方法、オンラインでの検索や操作のしやすさなどが含まれます。利便性を高めるような対策を打つことで、購買の機会損失を防ぐことができます。
コミュニケーション(Communication)
顧客とのコミュニケーションは、企業と顧客との接点のことです。対面、イベント、SNS、お問い合わせフォームなど、さまざまな顧客との接点があります。接点を生かして顧客との関係性を築く方法を考えるのが、コミュニケーション戦略です。
継続的な情報提供や接点の強化を通じて、顧客が長期に渡って製品やサービスを購入してもらうLTV(Life Time Value)を高めることができます。
マーケティングミックスにおける4P以外の他概念
4Pや4Cのほかにも、マーケティングミックスで活用されるフレームワークがあります。ここではサービスを扱うフレームワークである7Pと8P、そして社会的な存在価値の視点で検討する9Pを解説します。
7P
4Pが提唱された1960年代は、大量生産の始まった自動車や電化製品などの有形財に関するマーケティングが求められた時代でした。1970年代に入ると、情報や金融サービスなど、形のないサービス製品(無形財)に関するマーケティングのニーズが高まりました。
そこで登場したのが、4Pに3つのP(人員、業務プロセス、物的証拠)を加えた「7P」です。加えられた3つのPは以下の通りです。
人員(People and Participants)
サービスを提供するのに必要な関係者や、アライアンス先を含めた全ての関係者のことです。サービスは、サービス提供までに関わる人員の質によって良し悪しが決まります。そのため、よい人材を採用し、教育することは、サービスを向上するうえで欠かせない取り組みといえるでしょう。
業務プロセス(Process)
顧客にサービスを提供する過程のことです。カスタマーセンターの設置、オンライン決済サービスやモバイルオーダーの導入などが該当します。
物的証拠(Physical Evidence)
安心・安全保障を顧客に提供することが、物的証拠(Physical Evidence)に該当します。契約書などの書面の発行やアフターフォロー、製品情報の可視化などのことです。
8P
サービスが深く浸透するにあたって、より精度の高いマーケティングが求められるようになりました。そこで7Pに新たな分析項目として、生産性とサービス品質(Productivity and quality)を加えたのが「8P」です。
生産性とサービス品質(Productivity and quality)
このフレームワークでは、生産性とサービス品質の両立を目指す戦略を考えます。競争力と業績を向上させることを目指すもので、具体的には、無駄な業務の見直し、業務の標準化、教育や最新環境への設備投資について検討します。
9P
昨今では、企業の社会的存在意義がマーケティングでも重要視されています。そこで4Pに5つのP(パーパス、パフォーマンス、ポジション、ポテンシャル、プロフィット)を加えた「9P」が登場しました。
パーパス(Purpose)
企業の社会的存在意義のことです。「なぜ、企業が存在するのか?」を示す、ミッション、ビジョン、バリューの設定が該当します。
パフォーマンス(Performance)
製品の性能や価値を指します。顧客ニーズのある性能や価値をセグメントに伝える戦略を定義します。
ポジション(Position)
自社製品の立ち位置を明確にします。
ポテンシャル(Potential)
参入するセグメントの規模や将来性を検討します。
プロフィット(Profit)
利益を最大化するための戦略を策定します。主に総合的なコストを見直すことで、改善をしていきます。
共生の4C
近年では、先述した4Cとは別に、共創商品(Commodity)、総合的なコスト(Cost)、コミュニケーション(Communication)、流通経路(Channel)からなる「共生の4C」もあります。共生の4Cは持続可能な社会の実現を目的にしたもので、企業・国・人・自然とのあり方を示したものです。
マーケティングミックスに成功した企業事例2選
マーケティングミックスを具体的にイメージするためには、成功している身近な企業がおこなっているマーケティングを参考にするとよいでしょう。ここでは企業事例を2つ紹介します。
成功企業事例(1)~大手カフェ
ある大手カフェは、4Pを使ったマーケティングミックスを行い、それぞれの領域での戦略が明確かつ一貫性のあるのが見て取れます。各領域における戦略を紹介します。
Product(製品)
製品の質を高めるために高い品質のコーヒー豆を使いつつ、地域ごとに限定ドリンクや限定サイズを用意するという製品戦略を取っています。
Price(価格)
価格については定番のコーヒーをリーズナブルな価格に設定する一方、限定ドリンクは高めの価格に設定することで、特別感の演出と利益確保のバランスを取る戦略を取っています。
Place(流通)
アクセスの多い立地に集中して出店をするドミナント戦略を採用しています。
Promotion(プロモーション)
プロモーション戦略では広告に頼らず、SNSなどを活用した情報発信を基本とし、特別感の醸成によるブランド向上にうまくつなげています。顧客に限定ドリンクの写真をSNSにアップすることを促進し、口コミが拡散されています。
成功企業事例(2)~大手家具店
ある大手家具店では、低価格ながら高品質な商品の提供を実現しています。
Product(製品)
海外で生産される原材料を輸入し、自社で組み立てやデザインを行う、ノックダウン方式を採用しています。これによりデザイン性に優れた製品を低価格で提供することができ、顧客ニーズを満たすことができます。
Price(価格)
ノックダウン生産と製品の流通の最適化により全体のコストを低く抑えています。これにより低価格で製品を提供しています。
Place(流通)
独自の物流網を構築しており、最先端技術をいち早く取り入れることで作業の効率化とコスト削減を実現しています。また都心部では生活必需品を中心に品揃え、郊外の大型店舗では大きい家具を中心に品揃え、顧客ニーズに合致した店舗展開をしています。
プロモーション
トータルコーディネートを提案しています。郊外の実店舗では実物を見ながらコーディネートを決めることができます。またSNSでは製品のコーディネートのパターンを情報発信しており興味を惹いています。
まとめ
この記事では、マーケティング戦略を立案するなかでのマーケティングミックスの意義や、マーケティングミックスで活用される代表的なフレームワークについて解説しました。それぞれのフレームワークの用途や特徴を踏まえたうえで活用していきましょう。
ポイントは、すべての領域の戦略に整合性を持たせ、かつ実行可能なものとすることです。そのため、効果的な他社の施策について情報収集をしていくことも大切です。特に今日では、新たな施策やマーケティング手法が日々登場しています。展示会やオンラインセミナーなどで積極的に情報を収集していきましょう。
また、ベンダー企業であれば展示会に出展することで現在主流となっているデジタルマーケティングでは届かない層のリード獲得や来場した顧客との素早い関係性の構築が可能です。
デジタルでのマーケティングに限界を感じたら展示会出展!

現在、マーケティング手法は多様化し、そのほとんどがデジタルでのマーケティングとなってきました。
しかし、デジタルでのマーケティングでは、受動的な顧客との繋がりを得ることは難しく、関係性の構築にどうしても時間と費用がかかってしまいます。
展示会に出展することで、積極的に顧客と繋がり、その場で顧客の疑問を解決しニーズを引き出すことでデジタルとは比べることができないスピードで関係性を構築できます。
展示会主催会社Bizcrewの主催する、
DX分野において国内最大級*の「DX 総合EXPO」
経営課題解決のための展示会「ビジネスイノベーションJapan」は、
日本マーケティングリサーチ機構の満足度調査で、
・出展社総合満足度No.1
・リード獲得No.1
・リードの質No.1
・決裁者/高役職者のリード獲得No.1
・オンラインからのリード獲得No.1
・成約に繋がる展示会No.1
・出展サポートサービスNo.1
上記、7冠を達成しました。
現在のマーケティングに限界を感じられた方、新たな手法として展示会にご関心をお持ちの方は、展示会への出展をご検討ください。
DX 総合EXPOのホームページはこちら
ビジネスイノベーションJapanのホームページはこちら
*委員会調べ。同種展示会との展示面積の比較
*2023年 12月 期 _顧客 満足度 調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
●執筆者紹介
小形洸太
マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年にサクセスパートナーを設立し、コンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。