データベースの種類とは?著名なデータベース製品もご紹介 

公開:2024.5.10

更新:2025.1.6

企業のさまざまな情報を活用し、新事業開発やマーケティングなどに生かしていくDXを進める企業が増加しています。その際、情報活用を可能にする新システムに移行するのが一般的ですが、今回はその基礎知識として「データベース」について解説します。

現在データベースには大きな技術革新が起こっており、これらの技術を有効に使えるかどうかがDX成功のカギを握るといっても過言ではありません。 この記事ではデータベースの基本や選び方、活用事例などについても紹介します。

 

<目次>

データベースとは?

データベースとはコンピュータ上でデータを管理する仕組みを提供するアプリケーションやサービスのことです。さまざまな情報やデータを効果的に管理・アクセスするための構造を提供します。

 

データベース利用のメリット

データベースを用いるとデータの効率的な管理ができるほか、セキュリティ対策や障害発生時の復旧の仕組みなども備えているため、データを安全に保管・管理することが可能です。

検索の仕組みもあらかじめ組み込まれており、データ分析も容易に行えます。そのため商用アプリケーションを作る場合にも、データ管理の仕組みにデータベースを利用することが一般的です。

 

データベースの種類

現在、主流となっているデータベースは以下の2種類です。まず、それぞれの特徴について解説しましょう。

リレーショナルデータベース(RDB) 

リレーショナルデータベース(Relational Database)は、現在、最も普及しているといえるデータベースです。後述するNoSQLの出現以前は、データベースと言えば、ほぼリレーショナルデータベースのことでした。

リレーショナルデータベースは、単に「RDB」とも呼ばれ、それを活用した製品はRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)と言います。現在多くの場所で活用されており、企業の基幹システムや官公庁の業務など、重要なデータを管理するのに用いられています。

 

RDBの仕組み

RDBはデータを「テーブル」と呼ばれる二次元の表形式で管理します。テーブル内の列を「カラム」、行を「レコード」と呼び、カラムには項目が、レコードには項目ごとのデータが入り、データはレコード単位で管理されています。

なぜ「リレーショナル(関係性の)」という言葉が名前についているかというと、レコード内の関連のあるカラム同士を結合して、全く新しいデータを作ることができるからです。

たとえば社員名簿のテーブルと、社員の売り上げのテーブルを、社員IDによって結びつけることにより、特定の社員の営業成績がわかる表を作るといったことが可能です。RDBの操作を行うためには、SQLと呼ばれる専門の言語が用意されています。したがって、RDBMSの製品名にはSQLという文字列が含まれているケースがほとんどです。

また、扱えるデータは基本的に文字列や数値などといったデータ形式に限定されており、長文のテキストや画像・動画や音声などを登録することはできません。さらに、テーブルを結合する際にスピードが遅くなるなどの欠点があります。

 

NoSQL

NoSQLは、「ノンリレーショナルデータベース」とも呼ばれ、従来のRDBMSではなく、柔軟なデータモデルを提供するデータベースの総称です。RDBMSでは難しかったことが容易にできるため、近年飛躍的に利用される頻度が高まっています。

さまざまな種類が存在し、データの柔軟性、スケーラビリティ、高速なアクセスなど、種類ごとの特徴があり、目的に応じて使い分けられます。主にRDBMSの弱点を補完する目的で使われます。

NoSQLには大きく分けて以下の4つのカテゴリが存在します。

 

キーバリュー型

キー(Key)と値(Value)のペアでデータを保持する基本的なNoSQL型データベースです。キーの値は一意で重複は許されません。また、値は複数の種類のデータをひとまとめにすることが可能です。

たとえば社員データベースの場合、キーとして社員ID、値として該当する社員の名前、生年月日、所属部署、給与などの一連の属性データをひとまとめにしたデータといったようなものを値として関連付けることによりデータを管理します。

大量データの保存が必要で、なおかつデータの取得に際し複雑な問い合わせを行なわないケースに向いているデータベースです。

 

列指向データベース

キーバリュー型に列(カラム)の概念を追加したデータモデルです。

値が複数のデータによって構成される場合、列指向データベースを用いると、それらのデータを個々の列に分けて保持することができます。前述の社員名簿の場合、値に該当する社員の名前、生年月日、所属部署などのデータがそれぞれ独立した列を持っているイメージです。

この方式は列方向にデータを処理することから、任意の列をまとめて処理するのに適しています。

 

ドキュメントデータベース

基本的な考え方はキーバリュー型と同じですが、キーに関連する値の部分をドキュメント形式で格納するようにしたのが特徴です。値の部分は、JSONやXMLといったフォーマットでの記述が可能です。書き方の自由度が高く、複雑な要素を持つデータも格納できます。そのうえ大量データへの対応が可能です。

 

グラフ型

ノード・エッジ・プロパティの3要素によって、ノード間の有効性グラフの関係性によってデータ構造を表現するデータベースです。

ノードがデータの種別、エッジがあるノードから別のノードへのベクトル、プロパティがノードの内部に含まれるデータを表します。プロパティ内部では、キー-バリューストア型でデータが保持されています。

このタイプのデータベースの特徴は、検索スピードが速いことにあり、ビッグデータ解析などに向いているとされています。

  

古典的なデータベース

有名なデータベースとしては、以下の2種類もあります。この2種類はRDBやNoSQLよりも以前に登場したもので、現在は特殊な用途を除いては、ほぼみられなくなりました。

階層型

階層型データベースは、現在主流のRDB出現以前に主に用いられていた古典的なデータベースの一種です。

会社の組織図のように、頂点(ルートと呼ばれる)のデータから、下層部に向かうにつれ、枝分かれしていくようなデータを扱うデータベースで、製造業の部品を管理する部品表であるBill of Materials (BOM)等で用いられ、製品や半製品がどの部品や材料から構成されているかを明示し、製造プロセスを管理するのに使われます。


ネットワーク型

階層型と同様にRDB出現以前の古典的なデータベースの一種です。関連のあるデータ同士を互いに関連付けて保存するデータベースがネットワーク型データベースの特徴です。

たとえば、都市間を結ぶ道路網などはこのタイプのデータベースで管理するのに向いているため、地理情報システム(GIS)や経路計画ソフトウェアなどでも用いられます。

 

よく利用されるデータベース製品

ここまで現在主流のデータベースと、その先駆けとなった古典的なデータベースについて整理してきました。次に、現在使用されている実際のデータベース製品について、代表的なものを紹介しましょう。以下に紹介するものは、RDB製品もしくはNoSQLのタイプのデータベースです。

Oracle Database

データベースの世界再王手のOracle社によって開発された業務用のRDBMSです。

高い堅牢性や、同時に多数のユーザーがアクセスできる、さらには検索時点のデータを読み取ることが保証され、読み取り一貫性といった高機能で信頼性の高いデータベースとして知られています。 

MySQL/MariaDB

MySQLは小規模から大規模まで幅広いビジネス現場で使われています。Oracle Databaseと同様にOracle社の製品です。もとは別の会社の製品で紆余曲折を経てOracle社の製品のランナップに加えられました。

オープンソースで開発されており、誰でも無償で利用できるという特徴がありますが、商業利用する際にはOracle社に対しライセンス料を支払う必要があります。

ただ、ライセンス料を必要としないMariaDBのような互換性がある派生製品も存在します。MariaDBはもともとのMySQL開発メンバーによって開発されたMySQLの互換データベースで、こちらもMySQLと並んで非常によく利用されています。

 PostgreSQL

MySQLとならび有名なオープンソースのRDBMSですが、MySQLとは違い特定のベンダーによって権利が保有されていないためライセンス料が不要、世界中の技術者によって共同で開発が進められている、といった特徴があります。

無料であるにもかかわらず、商業利用に耐えうる高機能なRDBMSであることから、非常に人気があります。

Microsoft SQL Server

マイクロソフト社によって開発されたRDBMSであることからWindowsとの相性がよく、チュートリアルが充実しているなど、初心者が使いやすいように配慮されていることで知られています。基本的に有償ですが、無償で利用できるエディションも存在します。

SQLite

オープンソースで開発されている簡易的データベースです。軽量、コンパクト、省メモリであることが特徴ですが、そのかわり扱えるデータの容量などは他の製品よりも少なくなります。

RDBMSを必要とするシステムの開発で、短時間で開発するために簡易的にデータベースを利用したい場合や、中容量程度までのデータを高速で処理したい場合に向いています。

Amazon Aurora

AmazonのクラウドであるAWSでのみ利用できるRDBMSです。PostgreSQL・MySQLと互換性があるエンジンから選択できる上に、高可用性・信頼性を実現する独自のアーキテクチャを持っています。

mongoDB

オープンソースで開発された代表的なドキュメントデータベースタイプのNoSQLデータベースとして知られています。処理速度が大変早く、外部システムとの連携が容易であることが知られています。そのため、GoogleやAWSといったクラウドサービスではmongoDB互換のデータベースが展開されています。

Apache HBase

高速処理が可能で、なおかつ拡張性があるキーバリュー型のNoSQLデータベース製品として知られています。そのため、センサからのデータを大量に高速で処理しなくてはならないIoTの分野でよく利用されています。

またビッグデータ向けの処理基盤であるApache Hadoopとセットで用いられることが多いため、センサデータのビッグデータ解析にはなくてはならないデータベースと言えます。 

Redis

Redisもキーバリュー型のNoSQLデータベースの一種です。データのアクセスにストレージを使わずに、メインメモリにデータを展開するインメモリ型と呼ばれるデータベースであり、非常に高速に動作します。

Webログをリアルタイムで解析するツールとして利用するために開発されましたが、高速性を生かしIoT分野でセンサからのデータを高速で処理する場合も有効です。 

Apache Cassandra

Apache Cassandraもキーバリュー型のオープンソースのNoSQLデータベースの一種で、Facebook社によって大規模データの格納のため開発されました。高い拡張性と可用性を兼ね備えた分散データベース管理システムとして知られています。
 

データベースの選び方

このようにデータベースには様々な製品があることがわかっていただけたかと思います。では、これらのデータベースは一体どのようにして選べばよいのでしょうか?ここでは、使用頻度が高いRDBMSとNoSQL製品のケースに焦点を当てて考えてみましょう。

 

RDBMSが適しているケース

通常のビジネスユースであれば、RDBMSがあれば十分です。RDBMSの最大の特徴はデータの整合性をとれることにあり、何らかのトラブルがあってもデータの復旧が可能です。

そのため企業の基幹システムのように正確性が求められる現場では大変重宝します。また複雑な検索も可能なため、様々な分析や検索が必要なデータはRDBMSがよいでしょう。

 

 NoSQL製品が適しているケース

RDBMSの長所は正確性ですが、そのためにスピードが犠牲になります。そのため、IoTの分野や高速なネットワークのログの収集などの分野ではNoSQLのタイプのデータベース製品を用いるのが適切でしょう。

また、NoSQLは大量のデータを蓄積しておくのにも適しているため、ビッグデータを蓄積しておくのにも適しています。

 

データベースの活用事例

最後にこれらのデータベースがどのように活用されているのかを簡単に紹介しましょう。ただし、日進月歩で技術革新が進んでいる分野ですので、最新の状況を知るためには展示会などへ来場してリアルな情報を聞くのも大切です。

 

企業の基幹システム

現在、多くの企業の基幹システムはWebベースのアプリに移行しており、そのアプリのデータ管理を行っているのが主にRDBMSです。RDBMS製品を利用すると、もともとセキュリティなどが完備されているうえに、ベンダーのサポートも受けられるのがメリットです。

RDBMSは基本的な枠組みは昔から変わりませんが、堅牢さやセキュリティ面などで日々進化を続けており、そのため今後も企業の基幹システムにはRDBMSが使われ続けるでしょう。

 

ビッグデータ分析でのDB活用

RDBとNoSQLはそれぞれの長所で短所を補えることから、しばしば併用されます。

たとえば、ビッグデータ分析のためにNoSQLデータベースを使用し、蓄積した結果をRDBMSに転送し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールで分析する、という活用方法があります。

 

SNSでのリアルタイムなDB活用

RDBとNoSQLの併用は、ビッグデータ分析に限りません。SNSはシステムの根幹部分にはRDBMSを利用していますが、ユーザーの「いいね」のカウントのように大量のデータをリアルタイムで処理する必要があるため、多くの場合、NoSQLが併用されています。

 

まとめ

本記事ではデータベースに関する基礎的な知識を整理し、代表的なデータベースについて概要を紹介しました。

今日さまざまな場所で利用されているシステムの構築や運用において、データベースに関する理解は不可欠といえます。従来から用いられているRDBだけではなく、新しい技術であるNoSQLをどう活用できるかも重要であることがご理解いただけたのではないでしょうか。

 現在DXは企業にとって喫緊(緊迫した)緊縛の課題です。データベースについて理解を深めることでその取り組みを促進することができるでしょう。ぜひ一度展示会などへ足を運び、最新の情報や他企業の活用事例などを、ご自身の目で確認してみてください。さまざまな知見を得られることと思います。

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<執筆者プロフィール>

亀田 健司

シフトシステム株式会社代表取締役。看護職員のシフトシステム等の開発販売を手掛けるかたわら、プログラミング・技術者教育の講師・コンサルタント、ソフトウェア開発・IT研修講座の講義・研修プログラムの開発・プロデューサーとしても活躍。大手WebメディアなどにプログラミングやIT技術に関する技術コラムを寄稿。